子育ての悩み

2016.11.27

カインコンプレックスをこじらせないための5つの工夫

カインコンプレックスをこじらせないための5つの工夫

「カインコンプレックス」という言葉をご存知ですか?
1人目の子育てに日々奮闘しているママには、聞きなれない言葉かもしれませんね。

「カインコンプレックス」とは、兄弟の間で起こる競争心や嫉妬・憎しみといった葛藤のこと。
分かりやすい例を出すと、弟や妹が生まれた時に上の子に起きる「赤ちゃん返り」もカインコンプレックスのひとつと言われています。「赤ちゃん返り」は、「親の愛情を独り占めしたいのに、それが叶わなくなった・・・」という心の葛藤の現れなのですね。

どんな兄弟も少なからず競争心や劣等感を感じながら育っていくものですが、その際に親が兄弟を差別したり、比較したりすることで兄弟間の心の溝が深くなり・・・・。
その結果、「親の愛情を十分に受けたかったけれども、叶わなかった」という思いがずっと心に残り、自信のもてない大人になる、とも言われています。

<カインコンプレックスの『カイン』って?>

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ここでいうカインとは、アダムとイブの息子の名前。

旧約聖書によると、農業を営んでいたカインと羊飼いをしていた弟のアベルは、ある日神に供え物をすることに。

神は肥えた羊を捧げたアベルを喜びましたが、神は地の産物を捧げたカインに顧みることはなく、これに嫉妬したカインはアベルを殺してしまったということです。

ここでいう「神」を「親」と置き換えると、分かりやすいかもしれませんね!

ちなみに、カインによるこの兄弟殺人は、人類で一番最初の殺人事件とも言われています。

<なぜカインコンプレックスは生まれるの?>

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兄弟がケンカをするのは当たり前。

なぜなら、兄弟は生まれながらのライバルだからです。

お菓子の取り合いで大ゲンカに発展するのは、ただお菓子が欲しいからではなく、お菓子を与えてくれる親の愛情が欲しいからだと考えられています。

では、兄弟がいる人の中で、カインコンプレックスを持つ人と持たない人に分かれる、その差はなんでしょうか?

それはズバリ、兄弟の能力や容姿の差に、親がバランスよく愛情を注げるかどうかにかかっています!

例えば「勉強が得意なお兄ちゃん」と「勉強が不得意な弟」がいた場合、親が「勉強」という能力だけを評価してお兄ちゃんばかりを褒めたり可愛がったりすると、弟は「自分は親に愛されていない」と思い、親ではなく、親に可愛がられているお兄ちゃんに対して憎しみや嫉妬の感情を持つようになる、と言われています。

成長と共に先生や先輩など、親以外の存在が自分を認めてくれることでバランスを保てることもありますが、小さい頃は家族関係がその人の人間関係の大部分を占めますので、親の関わり方がとっても大切なんですね。

<カインコンプレックスをこじらせると、どうなるの?>

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カインコンプレックスをこじらせてしまい悪化させると、兄弟関係が一生修復不可能になったり、なんと周囲との人間関係にも影響を及ぼすこともあるそう!

具体的には、カインコンプレックスを克服できないまま大人になった人は、相手を独占しないと安心できないため三者間の人間関係が苦手になったり、友人や同僚など兄弟を彷彿とさせる人間関係に出会った時、心の奥底に眠っていた兄弟への嫉妬や憎悪が湧いてきて、うまく関わりを持てなくなってしまうケースもあるようです。

また、将来親が年齢を重ね介護の問題が出た時や、親が亡くなって相続の問題が出たとき、小さなころから抱えていたカインコンプレックスが爆発し、大きな兄弟の確執を招くこともあるんだとか。

現在の心理学では、カインコンプレックスは改善は可能と考えられていますが、やはり小さなころに改善すればするほど克服しやすく、大人になるにつれて改善に時間も労力もかかると考えられているようです。

大人になってより一層こじれてしまう可能性があるのならば、やはり小さな頃にいかにカインコンプレックスに親が向き合うか、ということが大切なようですね。

<カインコンプレックスをこじらせないためには?>

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カインコンプレックスをこじらせないためには、兄弟平等に愛情を注ぐべき・・・。

頭ではそう分かっていても、なかなか実行するのは難しいですよね。

親も人間なので、どうしても勉強が得意・不得意な兄弟がいたら不得意な子に厳しく当たってしまうこともあるでしょうし、スポーツが得意な子がいれば、試合の応援や練習の送り迎えなど、その子に時間を多く割いてしまうこともあると思います。

そこで今回は、カインコンプレックスをこじらせないための工夫をいくつかご紹介しようと思います!

1.兄弟を「比較」しない

年齢の離れた兄弟や異性は比較対象になりづらいと言われていますが、類似性のある同性・同世代の兄弟は本人達もライバル心が芽生えやすく、また親も比較してしまいがち。

例えば年齢の近い兄弟だと、同じ習い事を習わせていたり、同じ塾に通わせている、なんてよくありますよね。

兄弟の能力の差が目に見えて結果に出てしまうことも多いのですが、ここは親がいかに兄弟を比較しないかが重要です!

「お兄ちゃんはあなたくらいの時、これくらいの結果が出ていたのに・・・。」

「お姉ちゃんは、もっと早く上達していたのに・・・。」

「後から始めた弟の方が、成長スピードが速い!」

と思っても、その言葉はぐっと心の中に飲み込みましょう。

同じ親から生まれ、同じ環境で育った兄弟でも、個性があって当たり前、1人1人得意なことが違って当たり前なのです!

また、兄弟で比較すると不得意に見えることでも、実は世間一般の子と比較すると、その分野において十分才能がある、なんてこともありますよね。

(例えば、テニスで全国大会に出場するレベルの力をもったお兄ちゃんがいた場合だと、弟が同じくテニスで県大会に出場した場合、その弟の能力が霞んでしまう・・・など。)

誰かと比較してその子の能力に優劣をつけるのではなく、その子自身の能力や頑張りだけを見て、そして認めてあげることが重要だといえるでしょう。

けれども、そう頭で分かっていても、日々の育児に追われていると、つい本意ではない言葉を子供にかけてしまうもの。

そんな時は、「あまり兄弟を比較し過ぎていると、カインコンプレックスになるかも・・・?!」と一度冷静になって、自分が子供にかけた言葉を反芻してみることも大切です。

2.時には「特別扱い」を!

兄弟の中に障害を持つ子がいたり、所属する部活が全国大会に行った・・・などと時間を多く割かなければいけない子がいたりする場合、他の兄弟は我慢を強いられる場面も多々あるはず。

そんな時こそ、普段我慢してくれている子を連れだして、「親とその子だけの特別な時間」を作ってあげましょう!

2人で外食するもよし、その子の好きなものを買ってあげるもよし、普段はいけないような場所へ2人で遠出するもよし・・・。

とにかく、その子が「自分は親に愛されている!」と実感することが大切です。

その時間だけは、その子がどんなワガママを言っても、どんなに可愛くないことを言っても(笑)、なるべく許してあげてくださいね。

「いつもありがとう。」

「あなたのことが、大好きだよ。」という気持ちを忘れずに・・・!

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3.親の価値観で優劣を判断しない!

例えば親自身が勉強が得意で、偏差値の高い進学校に通っていた場合。

兄弟の中で勉強が得意な子・不得意な子がいると、どうしても勉強が得意な子を可愛がってしまう・・・なんていうこと、ありませんか?

親自身が勉強が得意だと、「自分が得意だったから」と言う理由で勉強の才能ばかりに目が行きがちなもの。

けれども、勉強が不得意な子には、勉強が不得意な分、何か違った才能があるのかもしれません。(歌を歌うのが上手、絵を描くのが上手、走るのが得意など。)

たとえ自分が子供に臨む能力を子供が開花させなかったとしても、決して責めないことが大切です。

「親がその子をどうしたいか?」ではなく、「その子はどうしたいのか?」という子供の気持ちを尊重すると、自分と違った才能を持った子供も、うまく褒めてあげることができるかもしれません。

子供の個性と親の個性は、全く別のもの、と考えることも大切ですよね。

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4.子供が本音を言いやすい家庭環境作りを

言葉にするのは簡単でも、実行するのはなかなか難しいところ。

しかし、家族の中でほとんど会話も無く、家族揃って食卓を囲むことも無く、夫婦間の中も悪く・・・といった家庭環境だと、子供は何か言いたいことがあっても言い出せないことがあるかもしれません。

また、普段子供とのコミュニケーションが極端に少ないと、子供の心のSOSや兄弟に対する葛藤、小さな我慢の積み重ねなど、まだまだ自分の気持ちをうまく言葉に出来ない子供のカインコンプレックスを察するのは難しいでしょう。

そして、普段はうるさく感じてしまう兄弟ゲンカですが、「ケンカするほど仲が良い」という言葉が示す通り、信頼関係が築けているからこそ本気のケンカが出来るもの。

激しい兄弟ゲンカが出来る兄弟は、実はカインコンプレックスをこじらせないためには有効なのかも・・・?!

しかしながら、子供を保育園に預けて日々仕事に家事に育児に追われているママや、訳あってパパや両親といった家族との関係に頭を悩ませているママなど、それぞれの家庭にはそれぞれに理由があり、常に穏やかな家庭環境を作り出すことは難しいことです。

それでも少しでも子供が「○○ばっかりズルイ!」と心の声を出せるよう、何でも本音が言い合える家庭環境を作ることも、親の役目のひとつと考える必要がありそうです。

5.子供に自信をつけさせる!

カインコンプレックスに陥る人は、「自分は親から愛されなかった」という思いが心の傷となり、それが自信の無さにつながると考えられています。

前にお話した通り、兄弟と比較され、「自分には才能がない」「自分は劣っている」と感じたまま大人になると、大人になって兄弟との仲がこじれたり、重症化すると心の病にもつながる可能性が。

そうならないためには、「あなたのこんなところがスゴイ!」「あなたの○○なところが好きだよ」と、子供に自信をつけさせることも有効な手段のひとつです。

その子にはその子にしかないオリジナルな長所が、必ずあるはず!

その子の強みを見つけ、言葉にしてあげることで子供が自信を持つきっかけ作りになるかもしれません。

<まとめ>

いかがでしたか?

幼い頃の兄弟に対するコンプレックスが後々の人格形成にも大きく影響するという事実を目の当たりにすると、子供への接し方を改めて考えさせられます。

ちなみに私には5つ下の妹がいるのですが、年齢がほどよく離れていたからなのか、はたまた私達に対する親の接し方が上手かったのか、私はさほど妹に対するコンプレックスを感じたことはありませんでした。

おかげで今でも妹とは仲の良い関係を築いていますが、もし親がどちらか片方に偏った愛情を注いでいたとしたら、今の私たちの良好な関係は決して築かれていないはず。

私と妹は容姿も全く似ておらず、趣味も性格も正反対なので、比較対象とならなかったのが良かったのかもしれません。

「兄弟に平等に愛情を注ぐ。」

言葉にするのは簡単ですが、イヤイヤ期を迎えた子や反抗期を迎えた子など、どうしても兄弟のどちらかに時間やパワーを傾けなければいけない時もありますよね。

また子供にとっては親が一緒に過ごしてくれる時間の長さや一緒に遊んでくれるかどうかといった行動での愛情表現の方が「親が自分のことを愛してくれている。」と実感できるため、「あなたのことが1番好きだよ。」と言葉にして愛情を表現しても実態が伴わないと余計にカインコンプレックスをこじらせてしまう要因にもなりかねません。

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こう考えるとカインコンプレックスはとても難しい問題のように思えますが、きっと「1人1人の子供と向き合う」という親としての基本的な愛情が根底にあれば、少しのカインコンプレックスは生まれても、後々の人格形成に響くようなコンプレックスをこじらせるようなことは無いのではないでしょうか。

要は、子供が「自分は親に愛されている。」と実感することが大切なこと。

完璧な子育てが出来る親などいないのですから、多少のすれ違いや葛藤があっても、「あなたの事が大好きよ!」の気持ちを忘れずに子供と向き合っていれば、きっと子供にもその気持ちは伝わるはず。

カインコンプレックスの他にも様々な悩みがつきものの育児ですが、少しでも前向きに明るく日々を過ごせたらいいですね!

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